我輩は、猫ではない、人間である。
悪魔に猫にされたのだ。
「そんな事ある筈がない!」と言いなさるか。
そう、ある筈がないのだ。
しかし、あってしまったのだ。
だから、その常識には、まいってしまうのだ。
この飼い主と会った時もそうだった。
我輩が一生懸命説明しても「腹が減ってるのか?」と言ってはミルクを差し出すし、違うよ、と説明しても「礼ならいいよ」と言って我輩の喉を気持ち悪くなでる始末なのだ。
どうやら、考えは人間でも言葉は「ニャー」らしいのだ。
その後も努力はしてみたが、「返事が出来る賢い猫」までがいいところなのだ。
そこで、我輩は書くことを思いついたのだ。
そして、どうにか鉛筆をくわえ、「人」という字を書いたのだ。
グッドアイディアだと思ったのだが、これがセンセーションを巻き起こしてしまったのだ。
「字を書ける猫」だそうだ。
そういう訳でこうして書いているのだが、これでもまだ「猫と人間の間をさまよう妙な存在」を抜けられないのだ。
全く、常識を打破するのは大変なことだ。
しかし、今はとっても満足しているのだ。
「なぜか?」って、そりゃあ、「ただの人間」より、「ただの猫でない」ほうが遙かに面白いからだ。
「常識」という自分本位な尺度で全てを決めてしまう「人間」って怖い存在ですね。
でも幸せを見つけられて良かったね、猫?ちゃん!

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